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パンズ・ラビリンス

パンズ・ラビリンス(原題:El laberinto del fauno、英題:Pan's Labyrinth)
2006年 メキシコ・スペイン・アメリカ合作映画


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海外版予告トレイラー




ラストについてばっちり言及しているので、これから映画を御覧になろうとしている方は注意です。ネタバレ感想ですぞ。


あらすじ(ウィキペディアから)

スペイン内戦で父親を亡くした少女オフェリアは、妊娠中の母親とともに母親の再婚相手であるヴィダル大尉に引き取られて森の中にある軍の砦に住む事になる。ヴィダルは独裁政権軍でレジスタンス掃討を指揮する冷酷で残忍な男だ。彼はもうすぐ生まれる自分の息子だけを欲しがり、オフェリアの事は疎ましく思っていた。

この悲しい現実から逃れるかのように、オフェリアは妖精やおとぎ話の世界に引き込まれていくのだった。ある夜のこと、彼女の前に「妖精」が現れ、森の迷宮に導いていった。するとそこには迷宮の番人パンが待っていた。そして彼女を一目見るなり「あなたこそは地底の王国の姫君だ」と告げるのだ。

こうしてオフェリアはパンに与えられた3つの試練に挑む――。



日本公開は2007年。私は今年に入ってDVDで鑑賞。今年(2010)観た映画の中で今のところ一番感動した作品がこれですわい。年末進行。

作品としてものすごく感動しました。本年度、我が家でDVDを一番回転させていた『イングロリアス・バスターズ』に対する好き感情とは違う。どちらも大好き作品だけれど、何度も何度も回転させてしまう…さっき観たばっかりなのに…というのは『イングロリアス~』。ひたすら感涙しまくって確認のためにチェックしたらまた号泣…しばらくこの映画を観られない…泣きすぎて目が腫れるから…という作品が『パンズ・ラビリンス』だ。

監督はギレルモ・デル・トロ。こういったダークファンタジー作品もありますが…

クロノス Cronos (1992)
ミミック Mimic (1997)
デビルズ・バックボーン El Espinazo del diablo (2001)
ブレイド2 Blade II (2002)
ヘルボーイ Hellboy (2004)
パンズ・ラビリンス El laberinto del fauno (2006)
永遠のこどもたち El Orfanato (2007)(製作)
ヘルボーイ/ゴールデン・アーミー HELLBOY II: THE GOLDEN ARMY (2008)


の作品ラインナップの通り、ホラー映画も撮影する監督だ。『ブレイド2』がこの監督の作品だと『パンズ~』を観た後で知って仰天したもの。テイスト違うもの。『ミミック』もそうだったのかー!といった驚き。

『デビルズ・バックボーン』は『パンズ・ラビリンス』系でしたね。『デビルズ・バックボーン』も、後日、鑑賞したのですが涙が滝のように流れた映画でした。また感想は別途…。

パンズ・ラビリンス』の素晴らしさは残酷なファンタジー描写を華麗に容赦なく見せ付けてくれた監督の手腕にあるでしょう。PG-12指定になっているように、描写は容赦ないです。大人でも苦手な描写かもしれません。物理的に痛い描写もありますし、精神的にもハッピーファンタジー一辺倒ではないですからね。でも子供って闇の部分を素直に受け入れるよね。私も若い時は暗い内容の映画や物語にひどく惹きつけられたもの。子供は意外に淡々と咀嚼するであろうと感じます。それでもまあ、うおっ?といった描写はあるので指定通り、小さいお子さんに無理矢理勧めるのは控えめに…。

戦時下におけるスペインがベースになっていますが、政治状況に詳しくなくてもそこは当然観られるように作ってあります。ヘビーな状況で主役の女の子がたくましく…というのもある意味ファンタジーでは王道です。そう、決して横道をかいくぐったファンタジーではないのです。現実のシビアさとファンタジーのシビアさでシビア二乗。ファンタジーとは痛い経験をともないます。現実でもファンタジーでもシビアな経験を積み重ねないといけません。

私が最後に号泣した理由として、「かわいそう」という感情は当然ありましたが、それは大人側(現実側)からしか見えない側面でのかわいそう。反政府な行動をしていたメイド役の女性が主人公オフェリアの死を目の前にして号泣します。私はメイドの気持ちに同化しつつも、オフェリアがファンタジー側(それもまたオフェリアにとっては現実)で、試練を乗り越えて本来の自分に戻った…その感動に号泣していたのです。試練を乗り越えたからこそオフェリアが到達したファンタジー世界は現実の大人達には一生わからないんだな…と思うとそのことでまた私は更に泣けてしまったのでした。そう、オフェリアは不幸に命を失ってしまった。でも不幸で終わったんじゃない…というのを現実にいる悲しんでいる人たちに伝えられない…彼女の幸福を伝えられない現実に号泣したの。死者の言葉は伝えられないじゃないですか。残された人は「オフェリアはきっと天国にいけた…」と無理矢理、後日、思い込むしかないのですもの。もし、命を失わず、現実の世界で生きていても、オフェリアはこれから幸せに暮らせたかもしれません。新しい命である弟と幸せに暮らせたかもしれません。その可能性にも泣きました。何だかとっても泣いてしまったのです。

メイド役の人とオフェリアは物語の最初のあたりで、ファンタジーについて語り合ってましたよね。昔はメイド役の人もそういった世界があると信じて小さい頃は暮らしてたと…。でも、実際には現実だけが押し寄せる。戦争中ですから余計に現実はむごく毎日押し寄せる。

オフェリアは選ばれた子ではありますが、選ばれただけじゃファンタジーは勝ち取れないのです。そのシビアっぷりが絶妙。王国への扉は自分で開かないといけないのでした。なのでファンタジーとして全うな王道っぷり。現実の世界でのヘビーな状況もこなしながら、平行してファンタジー冒険も成し遂げないといけないのでした。巨大蛙の内容物に手を突っ込むのと、継父に愛されないの…どっちがより辛いか…。現実の世界ではお母さんが一番の心のよりどころなのですよね。メイド役の人も優しい。ファンタジーでは一人です。ナビゲーターのパン役はオフェリアを敬いつつも、厳しく接してくるのでした。

オフェリア役のイヴァナ・バケロは絶世の大美女子役系ではないのですが、個性的で大変にこの役柄にマッチングしてました。唇がぽてぽてして可愛い。演技が上手だったからだと思うのですが、継父に好かれなさそうな感じもよく表していた。彼女から滲み出る個性的な雰囲気のおかげで、継父との関係がより明確になったと感じます。好かれなさそうなのだもの。何となくそういう雰囲気をうまく醸し出しているのでした。懐かなそうな子供なのですよ。


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↑この浴槽素敵でしたよね。といっても日本式の追い炊きができる風呂が最高だとは思うのですが、造形的に素敵♪


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ファンタジーの造形も、現実世界における山小屋生活での雰囲気も、とても素敵でしたよね。物資がない質素な暮らしなのだけれど、こうちょっとしたインテリアが洒落ていた。でもこの小屋は戦況下でも他よりは潤沢に物資がある設定なのですよね。タバコがものすごく貴重な嗜好品になっていてそれも印象的だった。薬の小瓶も良い感じだったよね。小道具関係のレトロっぷりも素敵だったなー。


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↑ドキっとさせる小物使い&魔法っぷり。スペイン=血…のイメージありますもの。熱血エスパーニャ!

お母さん役の人も素敵だったし、メイド(反政府運動してる人)役の人も上手だった。スペインって感じの人たちだったよね。個性的な顔立ちの人たちなの。美しかった。ドクター役の人もよかった。


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お母さんの着ていたネグリジェが可愛いの。


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オフェリアのよき理解者だったメイドさん

ファンタジーの案内役パン、不気味な大蛙、異形で異質な番人、どれもこれもダークファンタジーを雅やかに備えていた。パンの中に入っていた役者さんはポール・ベタニー主演『レギオン』でアイスクリーマンを演じていたダグ・ジョーンズさん。俳優さんですがパントマイムをやっていた方なので、こういった演技も冴え渡っているのでありましょう。ギレルモ・デル・トロ作品の常連組俳優さんのようですよ♪

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そして何といっても『パンズ・ラビリンス』で印象的だったのは、継父ビダルを演じたセルジ・ロペス!! ものすごく冷徹で敵にだけじゃなく、家族にも容赦ない。けれど、何故か憎めない…。彼自身にも何かトラウマがある設定なんですよ。もちろん酷い継父なので同情の余地なしなのですが、ただの悪人じゃないのよね。ビダルはオフェリアのお母さんと再婚するのですが、そのお母さんのお腹にいる新しき生命はこの継父ビダルとのベイビーなの。その誕生はとっても楽しみにしているのよね。お母さんも産むためだけに娶ってもらったって状態なのだが、母は強い。それを理解した上で結婚した…といったようなニュアンスでオフェリアに話している場面もありました。もちろん旦那様であるビダルをちゃんと敬うできた母なのです。戦時中…前夫(オフェリアの父)に死なれ…母一人、子一人で、生き抜くのは大変。それが軍人で地位も高いビダルに見初められたなら…そこにのっかっていくのは、おかしい決断ではありません。

ビダルは自分の父と確執というか超えられない壁があったようですね。父のようになりたい。自分は父を超えたいと、葛藤してるような描写がされてたよね。その父との関係は詳しくは語られないの。でも父と息子という関係にはひどく執着していて、これから生まれる子は絶対に男子だと信じ切っていたし、息子には何かをたっぷり託したかったみたいだよね。それは…とある事情により拒否されるのです。何も息子に託せないの。あのビダル最後のシーンは胸がすくシーンであると同時に、ああ、ビダル…哀れな…と両方の感情がわき起こりました。ビダルはオフェリアにとっては、これっぽっちもいい人ではないし、誰にとってもいい人ではないのだけれども…今までの酷い行いのせいで、自分の唯一の血をわけた息子には自分の存在を一生知らしめてもらえないはめになるわけです。

そういったシビアな部分もばんばん見せ付けてくるファンタジー。最高です。

唐突ですが、セルジ・ロペスさん特集…。だって素敵だったのだもの。宮崎パヤオ監督のアニメに出てきそうな設定なのよ。最近のパヤオじゃなくって昔のパヤオアニメに出てきそうなの。そこがきゅんきゅんする。

セルジ・ロペス(Sergi López, 1965年12月22日 )スペイン・バルセロナ出身。スペイン語、フランス語、英語を流暢に話す。

ほら、まただわ…。欧州俳優さんの何カ国語も操る当たり前設定。彼はフランスに行っても困らないのだもの。英語が喋れれば、基本的に観光地世界中どこでもほぼ平気だもの。それにスペイン語が自国語だもの。スペイン語圏は結構あるもの。無敵に近いもの。スペインなだけに!(無敵艦隊)

私は日本だけしか旅できません(限定)。


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拷問の仕方をいちいち拷問する相手に説明して恐怖を煽るビダルさん。歯を抜くつもりなのね…。ひどい拷問なの…。


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でも自分の子供は大好きなの。奥さんのお葬式なのに、奥さんの棺を見もしない酷い野郎なの。でも子供は好きなの…。身勝手身勝手。きゅーん。


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やたらと身支度や身の回りの自分世話を焼く人なの。もちろん召使いにもビシビシと指示は飛ばすのだけれど、きっと大切なものには一切触らせないタイプだわよね。この時計には思い入れがあるようで、メンテナンスにも夢中。時計も自分でメンテナンスなんて器用っぷり。軍人じゃなく時計屋の気むずかしい親父だったら誰にも害を及ぼさなかったでしょうに…。


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しかも革手袋をしてですよ?ダンディー。でも、やりづらくないのかしら……。とはいえ革手袋はいいよね。フェチ的に萌える。革手袋してセックスシーンなど誰かが映像で繰り広げてくれないかしらね。そういうフェチいいよね。ふんふんふんふんっ(興奮)♪


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ブーツも常にぴっかぴっかだもの。身だしなみ大将なのだもの。アウグスト君の靴も磨いてあげてください。彼の靴は何故かいつも汚れているように見えるのね。プレミア会場などで…。身だしなみに興味がないようなの…。


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タバコ咥えながらだもの。ダンディーだもの。


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髭だって毎日決まった時間に剃るものなのだもの。タバコをふかしながらだもの。器用だもの。ダンディーだから。髭を剃るシーン…はいいのですが、後半痛いシーンもあるので、ぎょわーとします。苦手な人は注意ですぞ。ビダルが鏡の前に立ったら注意。


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軍人なだけに物資は独り占め状態です。もちろん彼一人が謳歌してるのではなく、同じ軍人同士だったり、地位が高い人だけに分け与えたりしています。市民にも分けてるんだけれどね。配給ってやつ。でも量が違うもの。タバコなどの嗜好品は市民には配ってなかったよね?この写真はタバコの香りを箱越しに嗅いで堪能しているシーン。


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地位の高い人だけ集まった食事会で奥さんがビダルとのなれそめを出席した人に話しているのね。で、愛し合う二人…といった感じで奥さんはビダルの手に自分の手を重ねようとするのだけど、ビダルにすごい勢いで拒否されちゃうの。何て酷いクソ男なのかしら…。不器用&見栄っ張りなのです。「そういう話をするのは社交的に、こっぱずかしいからやめろ!」といった心情なのよ。そんな話をする奥さんを疎ましく思うほどなのよ。愛情は多少はあったんだと思うけど…。子供を作ったくらいですからね…。でも一緒に暮らすようになっても寝室は完全に別だったし、本当に子供を産ませるためだけに連れてきたって感じよね。酷いの…。

で、恐ろしいのは、ビダルを演じるセルジさんにはすごーくきゅんきゅんするのだけれど、画像検索をして他の映画やスナップのセルジさんを見たら

「あなたは誰……」

なの。素の彼もとても素敵な人だとは思うのだけれど、全然きゅんきゅんしないの…。脳髄の股間が反応しないのね。ビダルさんにはぎゅんぎゅんそそり立つというのに何故なのだぜ。


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誰よ


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誰?


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どなたかしら…


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胸毛にしか目がいかないわ…  この胸毛の写真は何故か「男祭。胸毛がボーボーなほどセクシーコーナー。男子向け」にあったのね。セルジさん御自身は家庭があってお子さんもいらして…って感じなのでゲイではないのよ。

というわけで、彼は私の中でキャラ好きカテゴリーに分類されてるの。『パンズ・ラビリンス』でのビダルさんはすごく好き。ところが、素の役者さんであるセルジさんは誰かしら…といった分類なのね。そういう場合ありますよね。もちろん役者さん御本人も素敵な人ですよ。でも何度も繰り返し言うように、好き好きという感情は全ての素敵な人に発動するシステムじゃないですものね。好きなんだけど強烈に好きっていうのは好みが左右しますからな。顔の系列や雰囲気で自分好みってどうしてもありますよね。誰でもよきゃここでも四六時中毎日日替わりでこの世にいる役者さん全員を取り上げてると思います。だが、この場所は偏りのあるブログです。威風堂々。

『パンズ・ラビリンス』は音楽も秀逸でした。音楽にもぐりぐりと感動を揺さぶられましたよね。サントラを手に入れてファンタジーに浸ってます。

王道でありながらも癖のある残酷なファンタジー。秋の夜長に…といったお勧めをしたいですなあ。
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全てのカテゴリでネタバレあり。

18禁的な感想もあり。その場合は記事ごとに注意をつけていきます。

映画、海外ドラマの感想、俳優に対するパッショネイトが中心の映画ブログ。

ブログのタイトル Movie Star No.1 は ポール・ベタニー出演映画『ギャングスター・ナンバー1 (Gangster No.1)』から。Gangster の綴りはよく見ると star ではなく ster なのですが、映画スターといえばやはり☆ということでミックスしました。

ポール・ベタニー(英)とアウグスト・ディール(独)、ダニエル・ブリュール(独)、バーナビー・メッチュラート(独)、セバスチャン・ブロムベルグ(独)、ビロル・ユーネル(独)に惚れ込み中ですが、女優・男優 問わず、素敵な俳優さんをご紹介していきたいと思ってます。

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