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ハンニバル・ライジング

ハンニバル・ライジング Hannibal Rising
2007年 アメリカ・イギリス・フランス合作映画


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予告トレイラー




役者さんの演技は素晴らしかった。だが、演出と脚本が火曜サスペンスかよ…といった案配の仕上がりであった。

久しぶりにいろいろな意味で顎が外れましたが、ハンニバル・ライジングという題名じゃなければ普通に楽しめる復讐劇だったのだと感じますな。『羊たちの沈黙』シリーズとまーったく関係ない1本のスリラー映画(サスペンス?)だとすれば、薄いながらもそれなりにエンジョイしたであろう。

だが、ハンニバル・レクターが如何にしてハンニバル・レクターになっていったのか…というきっかけの物語としてみると…

きっかけがどこにも見当たらないの…。

一番ショックだったのは原作者のトマス・ハリスがこの映画で脚本を努めていた事実。事実は小説よりも奇なりであった。

原作者がこれでいいならいい……。っていうか、実際にこれでよかったのかトマス・ハリスよ。

もちろん原作小説と映画は別の作品…と捉えている原作者も多いですし、私も原作は原作の良さが、そして映画は映画として個性が出ていればどちらも両方楽しみます。

原作至上主義ではないけれど、話として比べちゃうと原作の持つ力が強い場合は多々ありますよね。それは仕方がない。もちろん映画がそれを凌駕している場合もあるけれどね。

例えばスティーヴン・キングの『シャイニング』。原作も大好きだし、キューブリック監督作品『シャイニング』も大好きだ。これは原作者が映画を認めてないパターンなのですが…それでも私は大好き。どっちも味がある。解釈の違いはあるんだけれど、その違いも楽しめた。

ハンニバルシリーズはもちろん『羊たちの沈黙』は映画としても最高でした。原作も大好き。その次の作品『ハンニバル』でジョディ・フォスターがクラリス役を断ったのは有名ですよね。フォスターのクラリスはドンピシャの役柄なので大変に残念でしたが、「ハンニバル」の原作を読んで仰天して断ったと当時伝えられたよね。実際は同じ役は受けられない…と断ったとありますけど真相はどうなのかしら♪ 

私も小説「ハンニバル」は最初仰天した。結末のあたりが特にね。確かにジョディ・フォスターは断って正解だったかも…と当時は思ったもの。でも、ジュリアン・ムーアが上手にむっちりしたクラリスを演じていた。小説「ハンニバル」と映画『ハンニバル』は結末の処理が違います。映画の終わり方は万人受けだと思うよ。小説は後日また読み返したら「ああ、これはこれでアリだよな」と気に入った小説になったよ。とにかくハンニバル・レクターの知性と教養をひけらかす(もちろん上品に)シーンがよく描かれているのね小説だと。それをまた名優アンソニー・ホプキンスが更なるエクセレントを引き出していた。もう少しアンソニーが痩せてればと思うが多くは望むまい。

『羊たちの沈黙』の少し前の時代の話…『レッド・ドラゴン』も小説、映画とも堪能しました。エドワード・ノートン、アンソニー・ホプキンス、ハーヴェイ・カイテル、レイフ・ファインズ、エミリー・ワトソン、フィリップ・シーモア・ホフマン…ゴージャスなくせ者演技派俳優で埋め尽くされた贅沢な一品でしたね。

小説、映画とも…上手にまとめあげられていた。その中でも『羊たちの沈黙』は一番好き。サスペンスも上手に仕上がっていたもの。この作品は一番人気なんじゃないかしらね。

で「ハンニバル・ライジング」で、ハンニバル・レクターの幼少時代がようやく丁寧に語られたわけです。何故、ハンニバル・レクターはモンスターになったのか。小説もはっきりいって「……怪しい方向に向かっているよな」と…多少のチープ臭い雰囲気は漂っていたのは確かです。それでも、過去の作品で繰り返し描写されていたハンニバルの妹、ミーシャ…がどれほど愛らしくみんなに好かれていたのか。レクター一家の仲の良さ。使用人達との信頼関係…そしてハンニバル・レクターの幼い頃からの卓越したセンスと知性…吸収力の早さ。天才肌。美しいものを愛でる審美眼…そういった彼の凄まじい才能をトマス・ハリスは「ハンニバル・ライジング」で書いてくれたのですよ。そしてミーシャを失い、レクターが孤児院(かって、レクター一家が住んでいた素晴らしいお城が孤児院になっているという皮肉)でどう過ごしたか…馬との関係。そして叔父と叔母による華麗で高度な手ほどきによって更なる教養とセンスを磨いていくマイ・フェア・レディー状態のシーン…

それが「ハンニバル・ライジング」のウリなのです。ミーシャとハンニバルを酷い目にあわせた奴らに復讐するシーンは付録くらいのものですよ。だってハンニバルだもの。絶対に復讐するに決まってるし、その復讐は成功するに決まっているのです。

日本だと単行本二冊…上下になってました。新刊だと一冊だったのかしら? とにかく上下…でいうと上巻に当たる部分がハンニバルの幼少時の話なのね。

だが、映画だと…そういった教養あってこその凄み…であるレクター形成部分を全て端折っているのでした。

どうしたこといったい!!

ここで映画『ハンニバル・ライジング』のウィキペディアから抜粋。

原作との相違点

レクターが神童であったことや記憶術の指導などは全て削られている
レクターが孤児院を去る理由は叔父の計らいではなく脱走
叔父は既に死去しており、未亡人の紫夫人に引き取られる形
紫夫人からの日本文化の教授がほとんど削られている
(レクターの人格形成に影響を与えるシーンはほとんどカット)
レクターは逮捕されず、表向き死亡した形で渡米
また、日本描写にしても、部分的に一般的な外国映画のように中国文化が混ざったようなものとなっている。


肝心な部分を全部端折ったっちうわけですかな…。

だもんですから、映画だと妹を酷い方法で殺された兄が復讐する物語…でしかないのです。

まあ、それでもいいんですよ。これが…『幼き魂の裁き トーマスの血塗られた復讐』といったノリのサスペンス映画なら何も疑問はもたない。トーマスならば。トーマス誰だ。

しかし、ハンニバル・レクターが主役なのであります。彼の知性の源泉を辿るはずのライジングなのに……うおおおおおおおおおおおおおおお。

それに復讐もライト感覚だったよね。切り裂くやら、ぐりぐりやらも、私にしてみれば「それがどーしたというのか」といった程度のグロ。もちろんグロ表現ではありますので、苦手な人は苦手でありましょうぞ。でも何だかチープくさい。犯人もすごーく簡単に見つかっちゃうし、ハンニバルも犯人に簡単に見つかっちゃうの。簡単ゴッコなのよ。全然息詰まらないの。どうなるどうなる…という空気が全くない。これが『トーマスの血塗られたトースト』という適当サスペンス映画だったとしても緊張感がなさすぎ!!観客をなめすぎ!ペロペロしすぎ。

テレビ放映ではなくDVD鑑賞なのでカットされてはいないと思うけど、カットされてるんじゃないかと思うほど、簡単に復讐のやりとりが続くの。簡単に家に忍び込めるの。とにかく何でもラフなの。それがハンニバルだからこその軽やかに復讐を成し遂げる…といったラフ感覚じゃなく、脚本と演出の薄っぺらっぷりからくるライト感覚なのであった。

だが、脚本家が原作者本人なら仕方ない。確かに原作も後半は急に薄かった。今日、原作を読み返したのですが、復讐して殺していくシーンは原作と映画は一致している。お互いが簡単に見つけあうのも一緒。完全に一致。ってことは原作も薄かったのだと気づきました。納得。

アクションシーンが撮りたいのかとも思ったが、別にダイハードじゃないの。ダブルソフトなの。ふわふわふわーの食パンなのね。フランスなのに舞台が…。フランスパンじゃないわけよ。股間にフランスパンを忍ばせてないの。ふわふわのふにゃ食パンなテイストなの。もちろん、ふわっふわの食パンも現実には美味しいのですが、もうちょっと骨太エレガンスを見せ付けてほしかったわね。骨太エレガンス。だからフランスパン。

復讐するは我にあり…っていう気迫が感じられない脚本&演出っぷり。


ハンニバル・レクターの若き頃を演じたのは先日私がDVD『パリ、ジュテーム』を鑑賞して「きゃお。この人素敵だわね」とご紹介したギャスパー・ウリエルさんなの。彼はとっても上手だった。知的、エレガント、狂気…といったレクター要素は表現できてたと感じます。彼の左頬にできる癖のあるエクボは本物なの?あれ傷をわざとつけてる設定じゃないよね?とっても特徴的なエクボなの…。それに『パリ、ジュテーム』ではひたすら美青年に見えてた彼。今回も美青年ですが、誰かに似ていた。キアヌ・リーブスとクリスピン・グローヴァーを足した顔に見えてしまいました。どちらも好きな俳優さんなので私は問題ないですが、クリスピン・グローヴァーは癖顔なのでありますよ。その癖をギャスパーにも感じてしまったのはこの映画だからかしらね…。クリスピン・グローヴァーはバック・トゥ・ザ・フューチャーで主役のマイケル・J・フォックスのお父さん役やった人ね。個性派俳優です。

ギャスパー君は顔がシュッと細長いので顔の造詣は、アンソニー・ホプキンスとは全然違うけれど、役柄としてはそう違和感なかったよ。そういうのは割り切って鑑賞します。

紫夫人のエピソードも小説だと当然もっと描写は細かいのですが映画で端折られてしまうのは…仕方ないかもね。でも小説だとハンニバルがもっと紫夫人を敬愛している雰囲気なのですけれど。紫夫人は日本人設定なのですが、映画だとコン・リー。イメージ的には悪くないし、コン・リーは美しいし、違和感はないけれど、日本人で国際的映画に出られる女優さんってまだ出現してないんだなあ…と感じましたよ。設定によっちゃ出られる日本人女優さんもいらっしゃるのだろうけれど、紫夫人を演じられる女性は確かにまだ出現してないかもね。昔の大スター的日本人女優なら演じられたかもしれない。コン・リーを見つめていたら、何故か浅野ゆう子さんの顔に見えてきてしまったよ…。系列が実は似てたのか? 線は細いけど、マギー・チャンでも良かったかもなあ。それか今はもう活躍してないけど私の大好き香港女優…ブリジッド・リンなども良いですよのう…。

ハンニバルに酷い仕打ちをしたグループも曲者ぞろいで演技光ってたね。リーダーやったリス・エヴァンスは素敵でしたよ。好きな顔。イギリス、ウェールズ生まれの俳優さん。ああ、そういう顔立ちだったよね。

フランスの警部ポピールを演じた人も上手でしたよ。癖のあるお顔でしたが。ドミニク・ウェストさん。他の出演作品は…『スター・ウォーズ エピソード1/ファントム・メナス 』 どの役をやっていた?全然覚えてない。アミダラの割と側にいた軍人さん? 『300』にも出演。どの人よ。スパルタァアアの一員だったの?それとも議員の人かしら…。ああっ…顔に癖がある役者さんなのに思い出せない。

しかし今回はキャプチャー欲がこれっぽっちもおきないの。ハンニバル・レクターという冠がついてなければ…トーマスの血塗られた魂…(トーマス誰なのか…)というサスペンス映画であったならば…。それだと借りなかったかもしれないけれども…。

なので、ハンニバル・シリーズに過剰な期待を抱いてなければ、火サス(火曜サスペンス劇場)として十二分に楽しめます。すごく簡単に復讐するし。簡単に決着つくし。オチもわかりやすいし。簡単尽くし。

ハンニバル・レクターの湧き出る知性の根源を探りたい!という気持ちをパンパンに詰め込みながら、この映画を観るとダウトに近い気分を味わえます。

原作者トマス・ハリスが何を考えているのか知りたくもあり…知りたくもなし。

ああ、さようなら私のハンニバル・レクター…。そういう気持ちで祝日を粛々と過ごしております。

それにポケモンの新シリーズアニメで異常に盛り上がった我が家なのでオーケーです。

明日はまたバーナビーのお話かついにやってきた『レギオン』ブルーレイ鑑賞日記…どちらか書けるといいなーと思います♪ といっても出かける用事もありそうなので予定は未定であります。後日になったら申し訳ない。

いろいろな記事に拍手ありがとう。バーナビーの誕生日記事にまで拍手!嬉しいよー!ぷるぷるぷる。ぴこぴこぴこぴこ。ありがとうありがとう。

では急に関東地方は寒くなってきたのですが、皆さん体調管理にお気をつけて!もうじき年末じゃー!(焦る)
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全てのカテゴリでネタバレあり。

18禁的な感想もあり。その場合は記事ごとに注意をつけていきます。

映画、海外ドラマの感想、俳優に対するパッショネイトが中心の映画ブログ。

ブログのタイトル Movie Star No.1 は ポール・ベタニー出演映画『ギャングスター・ナンバー1 (Gangster No.1)』から。Gangster の綴りはよく見ると star ではなく ster なのですが、映画スターといえばやはり☆ということでミックスしました。

ポール・ベタニー(英)とアウグスト・ディール(独)、ダニエル・ブリュール(独)、バーナビー・メッチュラート(独)、セバスチャン・ブロムベルグ(独)、ビロル・ユーネル(独)に惚れ込み中ですが、女優・男優 問わず、素敵な俳優さんをご紹介していきたいと思ってます。

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